『自分の中に毒を持て』岡本太郎著(青春文庫)が背中を押してくれた

18年積み上げてきたキャリアをリセットして全く違う仕事へ転職をするかしないか。私は迷っていた。大型トラックやトレーラーの運転をする仕事をしてみたい。でも年齢は48歳である。未経験である。今やらなければいつやれる?今しかないだろう。でも不安だ。できるのかどうか・・・。今のキャリアに安住すれば収入も安定し地位も約束されている。転職しない方がいい人生を送れるのではないか。でも大型トラックやトレーラーには乗ることもなく人生終わってしまう。どっちをとる?安定をとるか後悔しない人生を選ぶか。そんな時にネットで検索して見つけたのが

岡本太郎著『自分の中に毒を持て』(青春文庫)だった。「芸術は爆発だ!!」と言っているユニークな芸術家としか認識していなかったが、この本を読んでそれだけでない哲学をしっかり持ったすごい人だということがわかった。私の背中を押してくれたいくつかの言葉を下に引用していく。

・いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。

・人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。僕は逆に、積み減らすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

・だが、自分が今の自分を否定して、更に何か別な自分になろうとすることは大変な危険が伴う。

・でも失敗したっていいじゃないか。不成功を恐れてはいけない。

・それに人間にとって成功とは一体なんだろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。

・もちろん怖い。だが、その時に決意するのだ。よし、駄目になってやろう。そうするともりっと力がわいてくる。

・そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。

・結果がまずくいこうがいくまいがかまわない。むしろ、まずく行った方が面白いんだと考えて、自分の運命を賭けていけば、いのちがぱっとひらくじゃないか。

・ほんとうに生きるということは、自分で自分を崖から突き落とし、自分自身と闘って、運命をきりひらいていくことなんだ。

・つまり、駄目なら駄目人間でいいと思って、駄目なりに自由に、制約を受けないで生きていく。そうすれば、何か、見つけられるチャンスが自ずからひらけてくる。

『自分の中に毒を持て』岡本太郎著(青春文庫)より引用

興味を持たれた方はぜひ購入して読まれることをお勧めする。私は普通に生きることが良いとか、安定した生活とか、長く続けることが大事だとか、どこから発せられたかわからない観念に縛られていた。それが長らく私の転職の決断を遅らせる要因になっていた。それを打ち砕いて新たな哲学としてたたき込んでくれたのがこの本であった。

結論。結果としてこの度の転職は途中でリタイアしたが、でもチャレンジしたこと、曲がりなりにも独り立ちできたこと、トラックに乗る楽しさを知れたこと、そして何よりも新しい自分に出会えたことが最大の成果だった。

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