
私は2年前にとある事情からお酒を飲むのをやめた。それ以来お酒を飲まない生活を続けている。お酒をやめる前はお酒のない人生なんてつまらないと真面目に思っていた。でも2年間飲まないで過ごしてみると「別にお酒なくても楽しいことはある」と思えるものである。このお酒をやめた事が大型トラックドライバー に転職した際にとても役立った事である。
昨今世間では飲酒運転による事故等の増加から大型トラックドライバー にも厳しいアルコールチェックが義務付けられるようになった。私の所属していた営業所にもアルコールをチェックする機械が設置してあり点呼の時に息を吹きかけて酒気帯びでないかをチェックしていた。そこで引っかかってしまうと乗務できなくなり配送に支障が出てしまうのでほとんどの人が真面目に神経を使って飲酒の管理をしていた。
お酒好きな人にとっては前の日の乗務が遅くなってしまって飲酒をしてしまうとアルコールが体内に残ってしまう恐れがある。あと何時間後には乗務だから何時間前には飲酒をやめないといけないと自己管理が求められる。私はお酒を飲まなくなっていたからこのような気兼ねも心配事もなかったが、お酒の好きな人には結構なストレスなのではないかと思う。仕事をして家でパーッと一杯気兼ねなくやりたいところだろう。だから次の日が休みの時などは「ああ、よし、飲みに行こう!!」と明るい声が各所から聞こえてきていた。
夕暮れ営業所へ帰る途中の辻に立ち飲み屋があってサラリーマンが退勤後に杯を交わしていた。その様子を見て「ああ、ああやって仕事帰りに気軽に飲みたいな」とお酒好きな先輩がボソッとこぼしていた。確かに飲酒の管理は自己管理と共にプロとしての自覚が求められる。それはわかるが、毎日運転で緊張をし荷扱いで緊張をし気疲れしているドライバーにこそそう言う気持ちが解れるひと時の確保は大事だと思うのである。