
トレーラーの運転も前に進むだけならすぐに慣れた。しかしトレーラーに乗るにあたって一番の難関であるバック(後退)が難しくてこれは退職するまでうまくできなかった。横乗りをしている時も先輩乗務員から「早くトレーラー独り立ちしろよ。後輩に抜かされるぞ」とはっぱをかけられていた。
配送件数が少なく早く帰庫した時は1人居残りをしてトレーラーのバックを練習した。とにかく回数をこなさないと体が覚えないと言うことで何度も繰り返し練習をした。ヘッドを折り曲げるタイミング。後輪が所定の位置に来た時にヘッドに少し角度をつけるのだが、そこに三角コーンを立てたりした。
ある先輩はトレーラーバックについてこう表現した。「自分のお尻で押していく感じでやってみるといいよ」と。
右側から左に向かって後退させてゆき所定の箇所に止める。そのためにはトレーラーの車体をバックさせるにあたって最初少しだけハンドルを左に切る。切ったまましばらく我慢。だんだんとトレーラーが折れてゆくのである程度お尻(トレーラーの一番後ろ)が車庫の入り口に入りかかったところでハンドルを逆、右に思いっきり切ってヘッドを起こしていく。するとトレーラーとヘッドが一直線になり所定の位置に真っ直ぐ車庫入れできると言うわけだ。
ヘッドが折れると反対側この場合は左後方が全く見えなくなる。なので何度も下車して左が隣のトラックに当たらないかを確認しなくてはならなかった。両側にトラックが停まっている状況で車庫入れするのは本当に冷や冷やした。下車する回数も格段に増えた。そんな感じで練習を繰り返した。
たくさんの先輩方が指導してくださった。自分たちも早く帰宅したいだろうに遅くまで付き合ってくださった。本当に感謝している。ありがとうございました。