
タンクローリー で石油製品を配送するにあたって一番やってはいけないことが
「コンタミ」
である。コンタミとは、英語でcontamination(コンタミネーション 日本語訳:汚染)の略である。石油輸送業界では例としてガソリンのタンクに灯油を入れてしまったりすることを指す。これを起こさないために机上訓練から荷下ろし訓練、横乗りなど独り立ちするまでに厳しい訓練が課されるわけである。いわゆるヒューマンエラーを防ぐためにこれら訓練があるわけで合わせて指差呼称の徹底も行われている。
それでも起こってしまうのである。私のいた営業所では起こらなかったが、他の営業所で灯油のタンクにガソリンを入れてしまう事案が起きてしまった。それをすぐに報告すれば良かったのだが、ドライバーが隠蔽してしまったためそのまま販売されてしまったのだ。ガソリンの混ざった灯油に点火すると機器は爆発し火事になってしまう。人命も危うくなる。これはニュースにも流れたしYahooニュースでもトピックスを飾った。
ボスから何度も言われたのが、人間だから間違いはある、間違った時にはすぐに報告をしてほしい。一番いけないのは黙って隠すことだ。隠してしまうと後々もっと悲惨なことになる。だから報告してほしい、と。
「自分を疑え」という先輩乗務員の言葉の意味は、このような惨事にならないためのプロとしての姿勢を保つための意識づけなんだと改めて思ったのである。