
48歳で新人大型トラックドライバー になった私が大型トラックを乗り始めて最初にぶつかった壁というのが車幅感覚であった。特に国道や県道の二車線道路で並行して大型トラックと走る時は左のミラーが隣を走行するトラックのミラーに当たるんじゃないかと冷や冷やしていた。なので無意識に右に寄ってしまい今度は右側が当たりそうになるのだった。右左折は大丈夫だったが、この車幅感覚だけは慣れるまでかなり時間を要した。
横乗りした先輩ドライバーが悲痛にも似た叫び声で「お前、左寄りすぎだよ!!」と言うのを聞いて慌てて右側にトラックを寄せていた。結果慣れて仕舞えばなんて事のないものだったが、当たるのではないか、擦ってしまうのではないか、と言う恐怖感はなかなか消えなかった。
後苦手だったと言うか慣れなかったのが、右折レーンが二車線で並走しながら右折するパターンの場合。外側を通って右折する時は気持ち外に膨らみながら回れるので右側を走行するトラックと距離を取ることができた。しかし内側を右折する時は左側を走行するトラックを気にかけないといけないし、左側方が当たってしまいそうでドキドキしていた。右側には対向車線の車が止まっているのでそれにも気を使わないといけない。トラックを動かしながら右にも左にも前にもとあらゆるところに瞬時に気を配らないといけないためなかなか難しいものだった。
そして何よりも新人の場合しばらくは横乗りと言って先輩ドライバーが助手席に座って教えてくれる期間というのがある。横乗りしてくださる先輩方の教え方や伝え方が時にはかなり厳しく聞いているこちらもビクッとしてしまう時がある。そんな時はいつもより運転がガチガチになってしまいトラックを左に寄せすぎてしまって怒られたり、黄色信号をうまく予測できずにほぼ赤信号で通過して怒られたりして、余計悪循環に陥ってしまう。そういう色んな壁が最初の頃にはあるのだった。