ルソー『社会契約論』で組織マネジメントを。アウトプットの一例

ジャン・ジャック・ルソーの主著の一つに『社会契約論』というのがある。有名なところでは岩波文庫出版の桑原武夫・前川貞次郎訳がある。フランス革命に大きな影響を与えたと言われるルソーの代表的な本である。私は社会人になってからこの本を読んだが、内容が難しくあまり理解できていなかったのを覚えている。それからまた月日が流れ、東浩紀著『一般意志2.0』で再びルソーのことに出会い、ふつふつと興味が湧いてきて再読に至ったのだった。じゃあ理解できたのか?というと、まあまあ理解できただろうという程度だ。でも読み進めているうちに自分の関心ごとでもある集団とか組織とかそこに働く見えない力動というか、意思のようなものをこの本は扱っていることがわかってきた。

社会とは個人の集まりである。個人がそれぞれ考えを持ち生きている。その個人が好き勝手に生きるとしたら無政府状態となり社会は大混乱を起こす。それを防ぐためにも個人は国家と社会契約を結ぶ。国法に従ってそれぞれが安定した生活を送ることができる。これがシンプルな社会契約論である。ではその社会で法律を策定したり発布したりその他もろもろの行政を担うのは誰が?まさか国民全員でやるわけにもいかないので代理人を立てて任せることになる。これが統治機構と呼ばれ現在でいうところの政府が各種行政事項を執り行っていくのだ。

ルソーのこの統治機構の考えで俊逸なのは、人民から選ばれた者たちであるからこそ人民がコントロールできるものであるという点。三角形の頂点にあって上から下へトップダウン型で人民をコントロールしていくのではなくドーナツの穴の部分に統治機構があって周りを人民が囲っているというイメージが良いかも。周りを人民に囲まれていて、常に人民の監視下にあってもしも統治機構が暴走したり誤った施策を行って機能不全に陥ったならいつでも統治機構の改編を行えるようになっている。なぜなら国家は人民と社会契約を結んでいるから。大まかに説明するとこんな感じであり、この点を会社組織のマネジメントにも当てはめることができると考えたのだ。

統治機構を管理職に置き換えると、会社と契約を結んだ社員は人民であり、会社と契約を結んでいるわけだからその統治機構の監視や改編も社員ができるのではないか、というのがマネジメントに使えるのでは、と考えた一因。さて、実際にこのルソーの社会契約論をどのように現実に落とし込んでいくか。まだまだ理解不足なのでマーカーで線を引いたところを再読しよう。

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