『ヒトの目、驚異の進化-視覚革命が文明を生んだ』マーク・チャンギージー著(早川書房)を読み途中だけどアウトプットしてみる

人間の目。それは肌とういうフルカラーのディスプレイを読み取るために、そのためだけに進化した!!というのが本書の最初に書かれている衝撃的な言葉。色覚異常者が女性より男性に多いのは、太古より人類を生きながらえさせるために赤ちゃんの病気など異常を確実に読み取らないといけなかったのは主に女性の役割だった。また赤ちゃんは顔というディスプレイをフルに活用して自身の異常等のサインを送っていたのだった。

視覚には、視覚、両眼視、動体視力、物体認識がある。それぞれテレパシー、透視、未来予想、霊読などと対応した言葉に表され、ヒトの目というのは超人的な能力を持っているそうだ。じゃあなぜこのようなメカニズムを人間が進化させたのか?が本書の最初から終わりまで透徹しているテーマ。

最初に書いたように肌はフルカラーのディスプレイで、筋肉を無理に使わなくても状態を表出できる機関なのだ。では肌の色が変化する原理はどうなっているかというと、血液と関係がある。血液の量と血中の酸素の量によって肌の色はいろんな色に変化するのだ。体調不良や気分の現れ方などが肌の内側を流れる血液によって示される。それらを読み取るために目は進化したのだ。

人は自分の肌の色を的確に言い表せない。また唾液の味を感じることもない。いわゆる無味。また自分の匂いも感じない。それらは全てゼロベースになっているのだ。なぜか。それは肌の色も、唾液の味も、匂いも、それらを常にゼロ基準にしておかないと外部からやってくる情報、肌の色の変化、味の変化、匂いの変容などを感知できないからだ。

色覚に関しては、人間の目には網膜というものがあってその中の錐状体というニューロンがある。それが3種類の波長、S,M,L波を感受する。特にヒトの肌の色の変化、血液中の酸素を含んだヘモグロビンによる光の吸収の量に反応するのがM(中ぐらいの波長)とL(長い波長)の二つである。この二つの錐状体が最高に反応するピークとこのヘモグロビンの変化の著しい部分がちょうど合致するのだ。この合致があるからこそ肌の内側を流れる血液の変化を素早く感知でき活かせるのだ。

私はずっと福祉の仕事で子どもに関わっていることと自身の子どもを育児した経験から、子どもたちの体温の変化や顔色や肌色の変化に神経質であったことを思い出した。そして子どもたちはより一層に肌の色や体温の変化に敏感であるように思う。この本の1/3を読んでみてしても、私たちの肌が(主に顔と手首から先と足首あたりまでだが)いろんなサインを送っていること、それから人々が読み取る情報が多くあることを改めて自覚させられた。

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