『ゴルギアス』プラトン著加来彰俊訳(岩波文庫)は読んでいて実に爽快、プラトン著作集で最初に読むにはこれから!!

表題が長くなってしまったが、結論から言うと表題そのとおり。プラトンの著作を全部はまだ読んでいないが幾つか読んでいる者として少し言わせてもらおう。ソクラテスもまだ若い想定なのか、じっくりディアレクティケー(対話の術)を駆使するのではなく、遠慮なく畳み掛けるように相手を追い詰める遠慮なさといい、切れ味がなかなか鋭い。そのあたりの爽快さが読んでいてある。これは完全に対話の相手はやり込められるなあ、今、そこ潰しにかかったな!!など臨場感が半端ない。

そのキレッキレのソクラテスに真っ向からぶつかってくる敵キャラ。若いのだ。若さゆえのその猪突猛進的なオーラが文面から伝わってくる。若さが溢れているのだ。自分たちが信じる師が少し劣勢になると「師匠。私めがこやつの相手をして差し上げましょう」と偉そうに出てくる。が、弱い。弱いのだ。若さゆえからなのか、深掘りした思想なんてなく表面を取り繕った飾りだけでソクラテスに挑むものだから、次々とその虚飾が剥がされていくのだ。その虚飾が剥がされていくたびに、パワーゲージが目減りしていくのがわかる。そしてついにはソクラテスのディアレクティケーによってアポリア(困惑)に陥り「参りました」となる。

「エーイ、お前がダメなら。ワシが!!」と次なる若者が出てくるが、此奴に及んでは「うー、もう勘弁してくれ。何言ってるかわからなくなってきた」「もう勘弁してくれ。その問い詰め方はもうわけわからん。」と泣きが入ってくる。この泣きが入ってくる感じが見事にプラトンの表現で面白く書かれている。これはもプラトンのセンスというか、お笑いのセンスが素晴らしくあるなあと感心してしまう部分である。声を出して笑えるのである。それもソクラテスという対話を主にした哲学の進め方がちゃんと本編でなされているからこそ成立する笑いなのだ。

ぜひ読んでみてほしい。この面白さ。そしてプラトン著作集の導入として。おすすめです。

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