『THE POWER OF OUTPUT 学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑著(サンクチュアリ出版)をアウトプットしていくシリーズ(読書感想文というか自分のこと)

結論から言おう。自分をちゃんとわかるための本である。この本は単なるプレゼンのための指南書でもなく、自己啓発的な本でもない。自分が何者で、何をしていて、どんな人格で、どんなことを考えて、何をしようとしているのかを自己に問う方法やきっかけが書いてある。それほど自分というものは得体のしれないものであり、他人にとっては尚更自分のことをわからないと思うだろう。そこをわかるようにしていく術がアウトプットという方法論で書かれているのだ。

本書に書かれているアウトプットの方法のうち、いくつかはすでに実施済みだったし現在も継続して行っている。そう日記と手帳の活用である。日記は5年手帳を1年前に購入し毎日書いている。手帳は「ほぼ日手帳」を使って毎日1ページぎっしり何でも書き出している。これも1年半ぐらい毎日続けている。あとはブログである。そう、この場である。これは最近で2020年の1月に初めて毎日1記事をアップしている。以上が頭に関連するアウトプットで、体の方のアウトプットでは筋トレを毎日行っている。なぜこうも習慣化したものをもっているのか。毎日が退屈すぎるから?一人暮らしだから?いいえいえ、どうしようもなく人生の袋小路に迷い込んだからである。

うつ病で苦しんでいたはずの自分であるが、そこまで深刻さはなくいい加減にやりすごしていた。そう、酒は飲むし夜ふかしはするしで生活は乱れまくっていた。しかし、うつ病はしっかりと病状を深刻化させていて現実の世界にいる自分を見失っていた。睡眠不足からくる免疫力の低下、それによっての呼吸気管支炎による緊急入院、精神面での不安定から被害妄想が激しくなり職場にて対人恐怖症に陥る。「自分は攻撃されている。思うどおりに仕事ができない」と早合点し退職、転職失敗、そして今の職場にたどり着く。

そう、僕は自分をわかっていなかったのだ。そしてそれだけ病気が進行している間に僕は現実世界のつながりも失ってしまっていた。頼れるものはもう何もないと思っていた。僕は一体何者なのか?頭は正常なのか?精神はおかしくなっていないか?新しい会社環境でやっていけるのか?などと不安がものすごい勢いで夜な夜な襲ってくるのだった。そのときに藁にもすがるような感じで手にしたのがボールペンだった。信じれるものは自分しかいない、はずだ。そう思って、とにかく手帳の隅から隅まで思っていること感じていることを書きなぐっていった。不安になる、すぐにボールペンを手にして手帳に書く。そしてそれをしっかり読む。この繰り返し。これが手帳との付き合いのはじまりだった。なによりもこれが僕のアウトプットだった。

この手帳になんでも書いて行く中で、不思議と自分の文字を好きになっていった。自分の文字を好きになるなんてことはこれまでなかった。今も汚い字を書いているが、その一文字一文字が愛おしいのだ。文字として表現された自分の分身とでも言おうか。遮二無二書き出していく。それを読む。溜飲が下がる。心が落ち着く。そう、樺沢先生のこの本書を読んではじめて僕はアウトプットによって自分を理解しようとしていたんだ、ということがわかったのだ。それはイコール病気としっかり向き合ってきたということも表している。病気と向き合っているからこそ、自分を理解しようという意思が働いたのだと思う。

本書にはそのような自分を他者という鏡に反射させて自己理解をするという様々な方法が挙げられている。どれもやってみたいが、量が多すぎる。でも必要な場面が到来したら思い出して本書を開いて該当する箇所を読めばいい。そんな手軽さも本書にはある。今こうして入力しているのも本書で知った「Google日本語入力」である。とにかく大事なことは、自分が今何者で、何をしたいのか、そんな疑念にぶつかったときはぜひ本書をパラパラとめくってその時の自分にふさわしい方法をピックアップしてやってみる、そしてなによりもその実践が大事なのだ。

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