
思い返せば高校時代から人とつるむことをせず1人で過ごすことが多かった。現在も一人暮らしで飲み友達もおらず、どこか一緒に遊びに行くなどという友達もおらず、結局仕事以外人と接する機会がほとんどない。いわゆる孤独な生活である。
孤独な生活なので人生のいろんな決断も当然相談する友達も少ないのでほぼ自分で決めることになる。「ああ、あの時友達に相談しておけばなあ」というのは正直ある。でもその友達が少ないのである。しょうがない。じゃあ、かといってめちゃくちゃ不安定な生活を送っているかと言うと、案外とそうでもない。曲がりなりにもちゃんと生きて行けている。
確かに一人で暮らしていると病気になったらどうしようとか、いろんな心配事が脳裏をかすめる。でも考えてみると、結局病気もなにもかも自分に起こるすべてのことは自分のものだし自分で対処していかないといけない。泣いて叫んで「なんとかしてくれ」と相手に泣きついても結局相手もなすすべなく見守るしかない。そう考えると、結局人間とは生まれてこの方、もちろん生まれてすぐは誰かの面倒になるわけだけど、歳が長じてくるにつれ1人で生きていっているわけだ。そう、孤独なのである。物事を決めて動き出すこともすべて自分が引き受けてやっているわけだ。そして当然だけど生まれてくる時も自分ひとりだし、死んでいく時もひとりである。
信頼できる友達がいることはすごく良いことだし、そういう運命に感謝すべきだと思う。でもそれは自分で努力したからどうかなるというものでなく、やはり運命なんだとおもう。結婚相手にしてもそう。生まれてくる子どもにしてもそう。どれもこれも自分ではどうにもならない運命が作用しているのだと思う。だから自分で良い方向に操作しようと思ってあがいても結局はうまくいっているようでいっていないことが多いのではないか。
僕は決して孤独賛美者ではない。孤独はつらいと感じることのほうが多い。でも生まれたときから死ぬまで一個体として存在し続けるなら、どこかで「孤独」というものをすっと受け入れる必要があると考える。世の中には友達を作ろう的なスローガンがあふれかえっているが、でも大事なのは自分と向き合う孤独という状況を生きるという事じゃないだろうか。正しさも間違いも全ては自分から生まれ出るものだし、生まれでたものは自分で引き受けよう。そして孤独に慣れよう。