
仕事をしていていつも楽しければそれに越したことはない。それこそまさに天職である。そうありたいものだと常に願うだけ願っていて実のところは殆どが辛いことばかり。9割方は辛いことばかりなんじゃないだろうか。「辛いなあ。」「行きたくないなぁ。」「辞めたいなぁ」などと好き勝手に思う。もちろん勝手に休むことなんてできないからロケット鉛筆が押し出されるように家を出て職場に到着しいつものようにタイムカードをタッチしている。「はぁ、また長い仕事が始まる」と思いながら。
でも、神様はいるもので、年に数回(いや、もうちょっと多いかな)、「この仕事やっててよかったなぁ!!」というご褒美をくださる。それがそう残りの1割に当たるものなのだ。僕の今の仕事で言うと子どもたちから暴言を浴びたりたまには叩かれたりしてバタバタと毎日が過ぎていく中で、それは子どもたちの方からふとしたきっかけで与えられるのだ。それは表情で表されたり言葉で表されたり文字で表されたり様々である。内容としては感謝の言葉だったり、子どもならではの哲学的な言葉だったり、この仕事をしてないと得られないものなのだ。そう、もう少し深く言うと生きるとか、死ぬとかそういうレベルの重たく質の濃い実に人間的なテーマに引き出される感じといおうか。僕が何十冊本を読んでも追いつけないレベルの知識や気付きが一瞬で表される。
「なお坊主さん、死ぬなよ。生きよう」と中学生の男の子が僕に言った言葉だ。僕はこの間あがき苦しみながらもこの子の言った言葉だけは忘れなかった。死なずに生きなければ。命ある限り生きよう、と。