
エクスプレッシングライティングとは別に何でもノートと称してRollbahnの手帳がある。何でもノートなので何でも書きなぐっている。そこに過去10年間の自分の活動経路というか、引っ越し、転職を含めた僕の行動経路を図式化したものがある。今住んでいるところがスタート地点でもあり現在いるゴール地点でもある。そこを起点として僕の動き方としては、北東方面へ移動、移動をしている傾向が見て取れる。元の元から言うと生まれた地からも北東に位置する現在地点。とにかく僕の移動習性としては北東方面に移動する傾向があるのだ。鮭が川で生まれて大海へと出てさかんに育ち、子孫繁栄のため再び生まれた川に戻ってくる。そんな感じだ。今の僕は鮭で言うところの生まれた川にもどってきたところだ。
その10年を振り返って、また元の川に遡上してきた自分はその過程で何を得てどう成長したのか?それもルートごとにメモってみた。するとその場所場所で何かしら得るものがあって成長の糧になっているのがわかる。最初の北東行きでは新施設の立ち上げというイベントに参加させてもらい、すばらしいスタッフたちと仕事ができた。良いことばかりではないが、離婚も経験した。次の北東行では施設の運営という面でそれまでに培った知見を発揮することができた。ここでもまたすばらしいスタッフに恵まれた。そしてこの時から断酒を開始した。これで第一次の北東行きは終わり、ここから川への遡上が始まる。そう今の場所に戻ってくる旅に出たのだ。タンクローリーの会社に転職をし、社会の地平というものをそこで発見した。これは非常に大きな発見だった。僕の人生観を大きく変える発見だったとも言える。そして川を遡上しつつ身をボロボロにする親鮭みたくタンクローリーの業界で見事に身体を壊し退職をする。その過酷な経験から手帳に色んな思いを書き出すということを始めた。そうエクスプレッシングライティングのはしりである。ここで川を登りきってとうとう力尽きたかにみえた自分であったが、縁がありまた第二次北東行きが始まる。そう今の職場に転職したことだ。そして今の職場に着いてから、僕はうつ病と向き合うようになった。うつ病である自分が社会で仕事をしていく、ということを自覚して実践したのだ。それは今も現在進行中である。
こんな移動を繰り返しながらもなんとか自分というものを理解し受け入れてやってきたのがこの10年を振り返ってみえてきたことである。鮭の遡上とは我ながらよく言ったものだと思う。そして僕は今プラトンと出会えた。これは鮭が産み落とした新しい生命のごとく、僕の中の魂的なものを目覚めさせてくれたとも言える。ぐるっと回遊してまた元の場所に戻ってきた自分である。成長しているのは事実だ。