中田英寿がプレー中何故あれだけ首をふっていたか

「しっかり止まって、しっかり見る」これは『ドライバーズ・ハンドブック 交通心理学が教える 事故を起こさない20の方法』を書かれた長塚康弘氏が提唱した標語である。実際にこの標語をもとにタクシー会社が事故撲滅のための運動を行ったところ事故が激減したという。では「しっかり止まって、しっかり見る」とは一体どういうことを指すのであろうか?本書では主に中心視と周辺視という言葉で整理されている。

要はこういうことだ。人間の中心視、目の中心に当たる部分であるが、この部分の視力を1.0とすると周辺視(こめかみや鼻の方に移っていくにつれ)にいくにつれ視力はほとんどゼロに近くなる。中心視で見える範囲というのはものすごく限定されているのだ。真正面を見ている場合に見えているのは正面の僅かな部分で、横に広がる周辺部はほとんど見えていない。だから「しっかり止まって、しっかり見る」のである。もっと詳細に言うと、しっかり止まって首を横に降って中心視を対象にちゃんと向けて見る、ということなのだ。運転免許を取得する際、路上教習で先生から首をふってちゃんと左右を見ることを指導されたと思う。それはこういう意味があったのだ。格好だけつけるために首をふるのではなかったのだ。

往年の中田英寿選手がプレー中によく首をふって周囲を確認していたのは、人間の特性である「中心視でしか物事をはっきりみることができない」を理解した上での行為だったのだ。だからこそあれだけのボール回しと先を読んだプレーが出来ていたのだと思う。僕もこの「しっかり止まって、しっかり見る」ということを意識しながら運転している。これまでもそのおかげで「あ、歩行者がいた」と気付くことが何度もあって、もし首をふって見ておらず周辺視だけでなんとかく運転していたら事故になっていたケースが多々あった。

これからも過信をせず人間の特性を踏まえつつ車の運転をしていこうと思う。

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