
うつの波が押し寄せてきてからしばらくは本を手にすることができずにいた。そんな中でも納冨信留先生の『プラトンとの哲学 対話篇をよむ』(岩波新書)はパラパラだが読み続けた。なので全くゼロというわけではなかった。でも以前に比べたらかなり読書量は落ちていた。それまでの僕の生活の中には読書は当たり前のようにあるものだった。でもうつ状態がひどくなってからは「読書しなくては」とノルマのようになってしまっていて楽しめるものではなかった。だから早々に本を読むのはやめた。そして今日がうつ状態に陥ってから78日目。2冊の本がAmazonから届いた。1冊は『ソクラテスの弁明』プラトン著 納冨信留訳(光文社古典新訳文庫)と2冊めは『死の講義』橋爪大三郎著(ダイヤモンド社)である。1冊目の『ソクラテスの弁明』はもともと岩波文庫版を持っていたのだが訳が古すぎるのと表現が硬いため納冨信留先生の訳のものを再度買い直した。これは訳がとても読みやすくなっている。2冊めの『死の抗議』はTwitterで評判になっているのを目にして即買いした。これはおいおい読んでいくとして今は『ソクラテスの弁明』の解説から読んでいる。本の半分いや半分以上が解説にあてられている。その解説を今日は1時間ぐらい読んだ。久しぶりに時間をとって本を読んだわけだが「ああ、それそれ、この感覚だよ」とどんどん本の中に引き込まれていく感覚が心地よかった。ようやく本を読めるまで回復したのかな、と思う。明日も1時間ぐらいどこかで読書の時間にあてよう。